龍神沼の自由帳

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試製一式高角砲

 だいぶ前なんですが、なんで海軍に駆逐艦の主砲は50口径の12.7cm砲なのに八九式高角砲は40口径なんだろうか、口径が一緒なら砲弾共通にできて補給面で有利だしコストダウンにもなるんじゃなかろうかと考えたことがありました。どうも長口径化すると重量が増大してしまう上、製造コストも高くなるんでやらなかったんだろうな、と自分で納得していました。ところが最近ネットをいろいろ漁っていると五式高角砲もしくは試製一式高角砲っていう奴が存在していたらしいっていうのに行き当たりました。
 艦載用が試製一式高角砲で連装タイプ、正式採用されたらしいのが五式で陸上用の単装砲のようです。戦後呉工廠のスクラップの中から見つかったみたいで、日本海軍の公式な記録は残っていないみたいです。カートリッジ式の弾薬を使い一分間に13〜18発を発射する能力を持っています。砲身長は6.35m砲身重量は4.665t、砲弾重量48kg弾頭は27㎏砲弾長163㎝初速は880〜910秒速、射程距離は45度で22400mから23600m85度で15200mから16200mです。砲重量は18.6t、仰俯角は−8度から85度まで、砲身移動速度?は一秒間に18度、米軍がテストしたのは陸用のものだったため各パーツの重量はかなり重いものだったみたいです。参考資料はここから。どうも50口径というのは砲弾重量からみて怪しいという話もあります。あ、でも口径(50)×口(12.7)径が6.35メートルだから別におかしくないですね。どうなんだろう。
 日本海軍がこの砲を実装する場合、駆逐艦の大型化(3000〜4000tクラス)か単装型にして砲門数を減らすかのどっちかでしか使えないような感じですね。しかも従来の三年式12.7㎝砲とは砲弾の互換性もありませんから、その存在意義ももうひとつというところですね。