龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

海の牙城3巻(戦場未定じゃなくて本土強襲)を予想する

 という訳で、予想しようと思ったけどその前に一席。『戦艦貧乏の日本海軍はいかにして米国海軍戦艦部隊と対抗するのか』、についてちょっとばかり考えてみました。
 米機動部隊の柱島奇襲攻撃により連合艦隊の戦艦4隻が沈み、さらに建造中の戦艦2隻が空母に改造されてしまった時点で日本海軍の保有戦艦は7隻に*1なりました。この時点で米海軍の保有する戦艦はノースカロライナ級を含めて16隻ありました。常識的に考えると、この劣勢は覆らないにしても、翌年8月くらいには完成する予定の超弩級戦艦武蔵は、絶対的に必要であり空母化なんてする訳無いですよね。そこを敢えて空母にしちゃったのはなぜか、空母化が決定された時点では南シナ海で米空母4隻を沈めており、自軍の喪失艦は龍驤のみ、空母で戦艦を殺るにしても、数が多いから*2討ちもらした分を叩くのに戦艦としての武蔵は絶対に必要なはずです。当座間に合わない空母化を敢えて選んだのは、米戦艦に対する必勝の方程式があったからに違いありません。
 そこで、ちょっと前置きが長くなりましたが、連合艦隊の米戦艦群に対する秘策について考えて見ます。ここで考えなければならないのは横山氏がいかに米戦艦を葬ってきたかというところです。いにしえの八八はさすがに考慮から外しておきます。まずは中公移籍第一作の修羅の波濤パラオ沖海戦、大和武蔵長門陸奥のベストメンバー*3による砲撃戦で米旧式戦艦群を圧倒撃滅しています。つづいて蒼海ですが、これは相手が英海軍なんでパス。海鳴りでは真珠湾を除くと、雷撃で1隻、潜水艦で1隻、砲戦で9隻というところ、虎口では砲戦で1隻と雷撃で1隻、曙光では雷撃で4隻、牙城では雷撃で2隻という内訳になっています。近作になるにしたがって雷撃の比重が高くなっています。砲戦では米戦艦は沈まないというのが、最近の横山海戦のトレンドみたいです。ところが今回の作品では魚雷はよく当たるようになったんだけど、定番アイテムの重雷装艦が影も形も出てきません。雷撃戦専用駆逐艦といってもいい島風も建造されているのやらいないのやらさっぱり判りません。しかしトレンドは雷撃戦、これはきっと最終決戦のために横山氏が隠し玉として残しているとしか思えないわけであります。
 古鷹型や阿賀野型を防空巡洋艦にしているのなら、史実で防空巡洋艦に改装された五十鈴も当然出てこなけりゃいかんと思うのですが、これも出てきていない、でこれも伏線、5500トン級軽巡の生き残りはほとんどが重雷装艦として、島風駆逐艦群とともに最終決戦で米戦艦群に片舷240射線の酸素魚雷を距離4000mから放つ予定なわけです。

*1:正確には6隻ですが

*2:米海軍も決戦となったら10杯以上は持ってくるでしょう

*3:手元に本がないからうろ覚え