龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

ところで食糧安保はどうなっているんだろう

金を出せば買える石油やその他の鉱物資源と違って、穀物はやばいですよ。足りないから増産って言っても石油みたいにバルブを開けばどんどん涌いてくるっていうもんじゃございません。備蓄とかいっても所詮は生もの、むやみやたらと溜め込むのも難しい。そして聞こえてくるのは、日本向け小麦の大産地である豪州の旱魃被害をはじめ、世界各地で異常気象による農作物の不作が多発とのニュース。特に中国は工業化による農地減少、内陸部での農業人口の流出に加えて、野放しの産業排出物による環境破壊や農地汚染等によって、農業生産に深刻な影響が出てます。また経済発展によって所得が増大した主に都市を中心に居住する高所得層は、畜肉消費の増加を始めとして食の高級化が進み、その結果飼料用としての穀物消費が増加しており、既に中国は食糧輸入大国化しつつあります。
さて、元祖食糧輸入大国である日本は、食糧供給が逼迫し始めてきたこの世界情勢の中で、ちゃんと国民の食を確保するための手立てをとっているんでしょうか。いつまでもどたばたを続ける福田内閣はその辺何にも考えてないように見えますが。
オーストラリアの干ばつ続く、農業が危機的状況に:オーストラリア干ばつの真相

オーストラリア農業資源経済局(The Australian Bureau of Agricultural and Resource Economics(ABARE))の最新の【農業レポート(PDF)】などのレポートを見ても、現地の農業が干ばつの影響を確実に受けていることが分かる。2006年の段階で「100年に一度の大干ばつ」といわれるほどの水不足で小麦や大麦などの穀物生産が大きく落ち込んだが、今年も平年を2〜3割ほど落ち込む見込みだという。

世界穀物高騰/国内生産の拡大政策を日本農業新聞

しかし、農水省の国際食料問題研究会報告書が指摘しているように、構造的要因が強いとみるべきだ。同報告書では食料をめぐる国際情勢として、1.中国、インドなどの国々の急速な経済成長から食料の需要が量的・質的に大きく変化している 2.バイオ燃料と食料用との奪い合いが起きている 3.地球温暖化により、世界各地で異常気象が頻発し、農業生産に悪い影響を与えている、としている。
 需要量をバイオ燃料原料だけで見てもブラジルはサトウキビ生産量の50%、米国ではトウモロコシ生産量の27%をバイオエタノールに仕向けている。2030年のバイオ燃料は、国際エネルギー機関(IEA)によると04年の6倍に増加する見通しだ。
 供給面では穀物収穫面積が過去40年間、7億ヘクタールとほぼ横ばいだが、単収は2.3倍と大幅に拡大した。しかし、単収の伸び率は1960年代は年率3%、70年代が2%、80年代以降は1.5%と鈍化している。確かに、農産物価格が上昇すれば生産意欲が高まり単収が向上するという見方がある。しかし、かんがい面積など制約要因も多い。しかも、最近では地球温暖化などで500万ヘクタールが毎年砂漠化している。