龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

経済雑感

生産というと物を作ることに考えが偏りがちだけど、実際には対価にお金を得ることのできる活動は全て生産としてくくられる。靴磨きだろうが流しの唄歌いだろうが全て生産者ということだ。将来的なことではあるが、今資源の枯渇が心配されている。主に埋蔵資源、特にエネルギー資源のことだが、現在のような開発型成長志向で経済活動が続いてゆけば、遠くない将来エネルギーを中心とした資源価格は高騰し、新興国の経済成長は停滞を余儀なくされるだろう。状況によっては破壊的なハイパーインフレが引き起こされ、社会的混乱から経済の後退さえ起こりかねない。資源の制約が経済成長の阻害要因となることについて異論は出ないだろう。これを解決するためには、エネルギー分野における科学技術でのブレイクスルーが必要だろうが、それは仮に起こったとしても主に先進諸国での問題の解決にしかならないだろう。先進諸国以外の国家では一部の新興国を除けば、それを導入する技術的基盤がないし、何よりそのコストを負担する経済力を持っていない。将来的な経済の停滞を避けるためには、経済成長の速度を高め先進国型の経済に移行する必要があるが、逆にそれが資源の枯渇を早める方向に作用することになり、おそらく多くの国家はそこに到達する以前に経済が停滞あるいはクラッシュするだろう。それを避けるためには経済開発の方向性について見直しが必要になる、というのが龍神沼が最近ずっと考えていることだ。そこで冒頭に述べていることにつながる。物の生産からサービスの生産への移行、そしてサービス産業の高次化と、物の質に対するマンパワーの投下によって実現する高付加価値化、それによって経済規模を大きくする形での経済成長こそが、目前に迫っている資源の枯渇による経済の停滞や後退に対する処方箋になるだろう。