龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

何度読んでもよくわからない

物価下落の実態は相対価格の変動 真に危惧すべきはデフレよりインフレである!:DIAMOND ONLINE

相対価格の変化にどう対応すべきだったか
 相対価格の変化は、経済行動の変化を要求する。
 消費者の立場から言えば、安くなった工業製品を使って、サービスに代替すべきだ。
 しばらく前まで、電車の駅を降りて雨が降っており、しかも傘を持っていなければ、タクシーに乗った。しかし、いまや、駅前のコンビニエンスストアでビニール傘を買うほうが合理的だ。1回の使用で捨ててしまっても、傘のほうが安くなったからである。
 あるいは、自宅の修理であれば、専門の職人に頼むのではなく、ホームセンターで材料や道具を買ってきて、自分で修理すればよい。
 あるいは、パソコンが安くなったのなら、それを使うように業務のやり方を変えるべきだ。また、省力化を図るべきだ。ガソリンスタンドのセルフサービスが日本で進まないのは、きわめておかしな現象である。
 供給者の立場から言えば、これと逆に、工業製品をつくることをやめて、サービスを売るビジネスモデルに転換すべきである。IBMが行なったのは、まさにそのことだ(コンピュータの生産から、ソフトウェアサービスに事業の中心を切り替えた)。要するに、高い所得を得られるものに事業を変えるのである。
 こうして経済全体の産業構造が変わるべきだった。日本の失敗は、それができなかったことだ。問題は、上で述べたガソリンスタンドだけではない。これだけ大きな変化がありながら産業構造が変わらなければ、おかしい。日本はまさにそのおかしい状態に陥っている。

工業製品が価格低下を続ける中でサービス価格まで下がってしまうのなら、経済規模が縮小するんじゃないかという素朴な疑問。じっさいサービス価格もデフレにあわせて低下してきており、相乗効果でさらにデフレが進行していると思うんだが。ついでに言えば、日本の特異性として、水と安全とサービスはただ(この場合のサービスはホスピタリティ)という考えが国民意識の底流にある中で、厳しい企業間の競争のなかサービスを売るビジネスモデルが適正な利益を確保しながら存立できるのか、はなはだ疑問でもある。
日本の経済を活性化させるためには、多彩なサービスを適正な価格で国民に消費させることが一番であると思う。サービス産業は工業と違い資源やインフラの制約をあまり受けない地球環境にやさしい産業であり、将来的に経済規模を拡大させるためにはそこに知的リソースを集中するしか方法はないと思う。形のないもの、サービスに金を払うことを厭わないように国民性を改革することが、これから日本が生き残っていくために一番必要なことだと龍神沼は考えている。
(参考)資源多消費型の経済成長から決別することが日本の未来に光をもたらす