龍神沼の自由帳

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コモデティ市場が下げ止まらない

金って工業用で結構需要があるんだが、その部分が景気の後退に伴い冷え切っている。だからドル不安とか金融不安とか煽っても相場が上がらない。さらにリセッションに伴って装飾用の金の需要も先進国を中心に減少している。追い討ちをかけるように手元不如意の国家が手持ちの金売却に走ったりしている上、IMFも金売却を計画している。そして現状の金価格はコモデティ相場の高騰に合わせて、依然として歴史的な高値圏にある。当然多額の投機資金が金市場に投入されているわけであり、コモデティ投資ファンドの解約や解散によって、更に相場が押し下げられていくのはいうまでもない。

石油にしても、つい8月ぐらいまで続いていた高値圏で取引された原油が大量にストックされているわけで、石油高騰による消費減退のため在庫が消化できず、新規に安値で輸入したくてもできない状況があり、それが原油価格の更なる低下につながっている。もともと石油が不足していたわけでなく、相場の高騰による供給減を恐れ原油輸入を増やしたという側面もあるから、現在の供給過剰状態は当面続くことになるだろう。現在40ドル台前半まで下落している原油価格だが、高値で掴んだ原油が消費されきるまでは上昇の可能性はないだろう。また、石油消費増加の主体であった新興国の需要増加も当分の間望めないうえ、今回のコモデティ高騰の教訓を受けてエネルギー多消費型経済発展に対する見直しも入ってくるだろうから、再び原油が100ドル台に到達するのには結構長い年月がかかるのではないだろうか。