龍神沼の自由帳

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Stage6閉鎖の裏にシリアス・ドラマと愚行の数々:TechCrunch Japan

そのまま順調にいけばDivXは新会社の株式の相当部分を得るだけでなく、著作権料だけで推定月額$1M(100万ドル)もの運営費用を経費として帳簿に計上し、Stage6は2008年収入のほとんどをDivxに償還する手筈になっていた。
その収入は些細どころではない。Stage6で動画視聴をしたいユーザーは、まずDivXプレイヤーをダウンロードしなければならないが、このダウンロード・パッケージにオプションとしてYahooツールバーが含まれている。YahooからDivXへの支払いは年間$16M(1600万ドル)にも上るが、われわれの情報源によるとこの額の半分、およそ年間$8M(800万ドル)がStage6ツールバーからのものだという。しかもその割合は上昇しており、2008年のツールバー収入は$10M(1千万ドル)に達し、Stage6はほとんど損益が均衡すると見込まれていた。
そして昨年11月末。DivXの取締役会でStage6のスピンオフとベンチャー資金調達の承認が議題に上った。ところが、この土壇場になって取締役会はスピンオフをキャンセルしStage6支配下に置き続けることを選んだ。
理由は明らかでない―Stage6の評価額を聞いてびっくりし、スピンオフさせるのが惜しくなったのかもしれない。それとも長期的にみて、Stage6からのツールバー収入が手放せないと考えたのかもしれない。聞いたところによると、ここで激しいエゴの衝突が起き、結局Stage6の独立はご破算になった。が、このとき同時にStage6のファウンダーたちも辞任してしまったのだ。DivXはGreenhallが辞任したことを告げる短い告知を出し、そこで 「当社がStage6の将来に関していかなる方針を採るべきか考慮するためにさらに時間を必要とする」と付け加えた。
でもまだその時点では誰もがDivXがそのままサイトの運営を続けるものと思っていた。ところが12月から1月にかけてDivXは動画ストリーミングの運営コストと、システムの面倒を見るキーになる技術者がいないことがまたしても心配になったらしい。今から3週間前にDivXはGreenhallに最初のスピンオフ・プランに戻る気はないかと尋ねたという。Greenhallは断った。
そこでDivXStage6の閉鎖を決めた。閉鎖によって何百万というDivXのダウンロードも、それにともなうYahooからの収入も水の泡となった。結局DivXは赤ん坊もろともタライの湯―何百万ドルもの収入と何千万のユーザー―を捨ててしまったわけだ。DivXの取締役会と経営陣は、ひと言でいえば、バカというに尽きる。投資家も同じ意見のようだ。DivXの株価は過去最低を記録している。

目先の欲にとらわれて金の卵を産む雌鶏をくびり殺してしまうとか、捨て六ユーザーあほらしすぎて世を儚んじゃいそう。逆にトップがこれだけ阿呆だと、あっと驚く逆転劇が起こるかもという一縷の希望もありかな。