龍神沼の自由帳

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烈海の航跡2

日露戦争日本海海戦の勝利によって乗り切った日本海軍だったが、弩級艦の登場と仮想敵国としてのアメリカの出現という衝撃に従来の海軍像が揺さぶられることとなった。鹵獲したロシア艦を含めて前弩級艦は新造の香取・鹿島、建造準備中の薩摩・安芸に至るまで旧式艦とされてしまう中、強大な国力を持つアメリカがロシアに変わって日本の第一仮想敵国として圧倒的な存在感を持つことになる。この当時日露戦争の影響で海軍は大量の主力艦を建造計画中に加え、日露戦争の戦利品であるロシア艦の戦力化も力を割いていた。英国の新造戦艦ドレッドノートの先進性が明らかとなり、その建造思想を踏襲し続々と各国海軍が弩級艦を計画建造する中米国ホワイトフリートが日本に来航、その脅威に対抗すべく当時混乱を極めていた海軍艦政は大きな決断を下す。戦利艦である旧ロシア艦の修理改修の中止と売却、日露戦争で戦った中小艦艇の内旧式化したものを多数退役、建造中・計画中の艦艇のうち戦術思想的に旧式化しているものへの建造中止令、そして建艦計画の大幅な見直しが行われる。しかし主力艦の建造については、既にこの時期前弩級艦の薩摩・安芸、装甲巡洋艦の鞍馬・伊吹とも建造が進んでおり、中小艦と違い建造を中止した場合の影響が大きいため、建造は変更無く続けられている。