龍神沼の自由帳

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グローバル化とはなにか

結局、低所得国家から先進国への労働人口の移動である、といえるのではないでしょうか。低効率・低スキルの職種の労働者を、低賃金でも文句無く働く海外からの移入労働者に置換するということで、サービス業や土木作業や単純工程の工業労働者など未熟練者で勤まる産業を低コスト化し、社会の効率化を図ることがグローバル化の目的であるといえます。つまり労働人口アメリカ化ということですね。欧州は旧植民地や中近東や中国からの労働力輸入で、日本は南米の日系人と中国及びその他アジア諸国(含中近東)、そして中国!この国は内陸部の低賃金労働者を沿岸部の先進地域に移動させるという、中国国内でのグローバル化というのを実践しています。
この労働人口グローバル化がもたらしつつあるものは、中間階級の没落と下層階級の一層の貧困化、要は所得格差の徹底的な拡大です。なぜなら低賃金労働者の海外からの移入圧力の前では、われわれ労働者は賃金の維持や上昇よりも雇用の確保を選ばざる得ないからです。
ということで、労働人口グローバル化は、国際的な競争力の強化にはつながらず、国内格差の拡大と治安の悪化も含めた社会の不安定化しかもたらさないので、はっきりいって資本家のためにあるものでしかないといえるでしょう。海外からの労働力が必要な産業分野は確かにあると思いますが、国家によってよほどしっかりと職種を限定し管理していかないと、日本の労働環境はひどい有様になるでしょうね。