龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

梯子を蹴り飛ばされる

現実問題として、世界経済の縮小に歯止めがかかり世界貿易が拡大基調になっているというのなら、エマージング市場でのバブルも肯定できるんだけど、実際にはアメリカの輸入が拡大しているとか聞いたことないし、御存知のとおり日本の経済は中国の内需に助けられてかろうじて一息ついているだけで、内需拡大どころかデフレが悪化している状態、欧州でも東欧経済は破綻の一歩手前でかろうじて踏みとどまっているだけ、もちろん金融危機も水面下に潜行したまま継続している。中国に関してはドルペッグの元安による輸出ドライブで国際収支は黒字が続いているものの、総貿易量の落ち込み自体は回復していない。中国の内需に関しては好調という伝聞もあるが、実態がどうなっているのかいまひとつわかりにくい。その一方で新興国では通貨高と金利の上昇が同時進行しており、世界貿易が回復していない中輸出産業にボディブローのように悪影響を与えている。
一方で世界的な金余りの継続によって増大した過剰流動性は陸続と市場に供給され続けており、新興国及びアメリカ市場の株価は上がり続けている。各国政府の金融緩和政策が続行され続けることへの信頼感が、リスク選好の投資戦略を後押ししているのだが、実際には投資家達はリスクに非常に敏感になっており、長期金利の上昇やドル高の進行等の状況に対して瞬時に手のひらを返すように反応している。現在日本の国債長期金利に対する信頼性が投機家達によって試されているのだが、仮に国債に対する日本の機関投資家達の信頼が崩れたときどうなるか。結局のところ機関投資家たちは国債を買い続けるだろう、国債を買うリスクよりも買わないリスクのほうが彼らにとっては大きいからだ。日本人以外の誰が日本国債を買ってくれるのか、売りたくても売る相手がいなくては持ち続ける以外に手段はない。いや国債金利が上がればさらに買い増しに動いたほうが、彼らの利益になる。投機家達が日本売り戦略で失敗した場合彼らの損失がどこで埋め合わされるか、バブルは永遠に続くわけではないのだ