龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

追跡戦闘車って知ってますか

 こんなやつなんですけど。操縦者は後ろ向きに乗り込みTVスコープを通して前方を確認する仕組みになっています。何で後ろ向きかって言うと、この車体当りで敵車両を撃破するらしいんで、ぶつかったショックを吸収するためなんですね。でもうお分かりでしょうが、烈海の艨艟にでてくる水雷強襲艦はこいつが元ネタなんです。
 水雷強襲艦自体は八八艦隊物語の魚雷艇を超拡大発展させたもので、もともとの使いどころは、昭和19〜20年ぐらいに空母を中心とした洋上航空戦力を強化しまくった帝国海軍が内南洋で米艦隊と決戦を行う際に、戦艦戦力の不足を補うためにこいつを大量投入っていう感じでした。イメージとしては甲冑を人馬に纏った重槍騎兵、敵の阻止砲火をものともせずに突撃し、特大の魚雷を中〜近距離から敵戦艦にぶち当てるという形です。
 でまあ軍艦としては畸形ですね。強雷装重防御と高速を実現するために、航続力は極端に短く、防御も前面と魚雷発射管以外はほとんど紙、砲力も射界の限られた旧式の14センチ砲2門と7.5センチ連装両用砲2基プラス対空機関砲と基準排水量で軽く3000tを越える艦にしては貧弱です。居住性についてはほとんど考慮されていません。図体はでかいけど短期間に大量に建造する必要から、設計は徹底的に簡略化されており装備も戦闘に必要なもの以外は省略されています。長距離の移動のために、油槽空母というこれもまた畸形な軍艦をわざわざ建造するとか、輸送艦と船体を共通化して平時は輸送艦として運用し有事には改造とか、いろんな変な努力をした挙句航空主兵の流れの中で決戦構想がぽしゃってしまい、訓練用に建造された4隻を除いて全艦が輸送艦のまま使われてしまうという、ある意味悲運な艦種になってしまいます。
 一応北方海域でその力の片鱗を見せ付ける、なんてことも考えてはいるんですが、その前に、艦隊決戦時の水雷戦の主役を水雷強襲艦に奪われてしまった駆逐艦のあるべき姿について、考えをまとめなきゃいけませんね。