龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

ららら科學の子 矢作俊彦 :文藝春秋社

 相変わらずの矢作俊彦を確認しました。この小説の連載が終るのが2001年11月、非常に微妙な時期ですが本書への影響は読み取れませんでした。9.11後を取り込んだ続編とか読んでみたいです。30年という主人公の日本での空白期間が、就職してからの自分の歳月にオーバーラップした感じで、一緒になって変貌を遂げた東京を彷徨してしまいました。
 あと、主人公(名前は不明)とベトナム系中国人(アメリカ国籍)傑(ジェイ)の会話に、唐獅子株式会社の出所直後の不死身の哲とライト系やくざ原田との掛け合いを連想してしまいました。唐獅子株式会社どこにしまったっけ、文庫で売ってるかな、久しぶりに読みたくなってきました。