龍神沼の自由帳

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戦闘経過1

 南雲提督は第一次攻撃隊の収容に当たって、戦闘機を最初に着艦収容するよう指令をだしていた。攻撃隊の収容自体は敵航空部隊による攻撃下にもかかわらず順調に推移している。これは第2次攻撃部隊の直掩戦闘機を抑えたことによって充分以上の艦隊直衛戦闘機を用意できたこと、及び母艦内が第2次攻撃隊が発進したことによりほとんど空の状態で艦内への航空機の搬入がスムーズにおこなわれたことが要因である。収容された攻撃隊は戦闘機を除いて直ちに燃料タンクからガソリンを抜いて不燃処理が行われ、機銃から弾薬が抜かれて弾薬庫に収納された。兵装転換のため艦内に放置されていた爆弾や魚雷もこの時点では弾薬庫に戻されていた。
 優先されて収容された戦闘機部隊は、直ちに整備され弾薬燃料を搭載すると飛行甲板に引き出され次々と米軍航空部隊の迎撃のため発進していった。この時点で米機動部隊の雷撃機による攻撃が既に開始されていたが、この攻撃は艦隊周辺に展開していた戦闘機部隊によって完全に阻止されていた。戦闘機部隊が発艦を続けている頃、艦隊周辺を哨戒していた97式艦攻によって接近してくる米艦爆隊が視認され、艦隊司令部に接敵が発信された。ここで発見されたのは米空母エンタープライズから発進した急降下爆撃機部隊、ドーントレス33機だった。直ちに発進中の戦闘機部隊に指示が出され、その迎撃に向けられた。続いてヨークタウンから発進した艦爆部隊も哨戒中の艦攻に発見されたが、零式艦上戦闘機の無線装置の低性能が原因で戦闘機隊の誘導が上手く行かず機動部隊上空に敵機の進入を許してしまう。
 結局米機動部隊の攻撃によって、一航艦は蒼龍が大破(450ポンド爆弾2発の命中により着艦不能)赤城中波(同1発が命中、至近弾により右舷機関室の一部に浸水)の被害を受ける。米軍の損害は各機種合計で80機以上が未帰還になる大きなものであり、更に会敵できず燃料不足のためミッドウェイに向かったホーネット艦爆隊が全機滑走路大破の為不時着を余儀なくされるという損害を蒙ってしまう。このほか損傷機や故障機を含めると全母艦搭載航空戦力の3分の2近くが失われており、更にミッドウェイ島の航空部隊がほぼ全滅という大損害のためフレッチャー提督はこれ以上の戦闘の継続を断念、ハワイに向けて避退することを決断した。