龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

水戸黄門って期待されざる老人像だと思うんだよね

けっこうわがままで、世俗での欲が強くて、権力は振りかざすし、権威主義だし、女好きみたいだし、そんな奴を理想のお年寄り像として延々うん十年も茶の間に垂れ流した結果、ろくでもない老人を大量生産して世間に蔓延らせたんじゃないかな。
だいたい黄門の問題解決のやり方も洗練されていない。問題が発生しても小さな芽のうちに摘めば、せいぜい責任者一人に詰め腹切らせるぐらいで済むところを、まだまだ様子を見てみようとか暢気に構えてことが大事になるまで放置して、いよいよ善人側から人死にが出てから重い腰を上げるって、遅すぎるんだよ。
悪家老の手下だからってそいつが悪い奴とは限らないじゃないか、家族もいれば友達だっていっぱいいるだろう。たまたま悪い奴の下で使えていたからって、彼らが助さんや挌さんに切り殺されたり不具にされたりと、妻や子供だっているんだぞ、彼らの面倒は誰が見るんだよ。仮にあれはみねうちとかいいわけしても、悪人の手下として天下の副将軍に刃を向ければ、ほぼ切腹、良くても失職家族と共に路頭に迷うことは間違いない。善人側にも悪人側にも不幸な人間を大量生産して何で「かっかっか」て大笑できるんだよ。神経歪んでるね、それって自分の見せ場をより劇的にするためだけの演出効果でしかない。まさに自己顕示欲の塊、権力を持ったトラブルメーカーだね。
江戸時代、政治が洗練されるにしたがって、幕閣は建前的には法治主義で法令には重い量刑を科していたけど、その運用は柔軟でなるべく人死にが出ないよう裁量していたんだけどね。
理想の老人像ってなんだろうか、まあ現実がひどいから理想を求めるんだろうけどね。