龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

↓↓↓なんだけどなあ

まず欧州、猫も杓子も株高です。ファンダメンタルが各国で凄い凹凸があるにもかかわらずとんでもない上昇カーブです。バルト沿岸諸国なんかもう頓死寸前な金融危機ですが上がってます。かつてのハプスブルグ朝のよしみでオーストリアが金を貸しまくった中東欧も、資本が引き揚げられてデフォルト寸前の国ばかりです。もちろん貸したオーストリアも超ヤバイ。南欧も土地バブルが思いっきりはじけてとんでもないことに。堅実さで知られているはずのスイスも主要銀行が不良債権の山を抱えています。金融立国英国は言わずもがな、フランスは失業者におびえ、ドイツは不良債権に蓋をかぶせて強気のふりですが、地獄の釜の蓋が開くのも時間の問題です。
続いてアメリカ、借金返すために消費者が貯金に励みすぎて、消費はどん底とうぶん回復しそうにありません。何しろ貯めた端から借金返済でもってかれるし、大好きな消費は住宅価格の値下がりでローンが使えないし、キャピタルゲインとかいくら株価が上がってもまだまだ大マイナス状況から抜け出せない。失業率も消費が回復しなきゃあ高止まり、今の政策的ミニバブルが続かなかったら、金融危機の再燃さえ懸念されます。
中国は粉飾景気回復で絶好調、話にならないですね。沿岸部の工場労働者の失業を内陸部のインフラ整備で解消とか有得ないし、そもそも景気対策に使われるはずの融資が、株とか不動産とか企業買収に使われているので一般民衆に廻ってこない、格差の拡大にさらに加速がつくんじゃないですか。だいたい中国で車が馬鹿売れとか言ってますが、たんにデーラーの在庫が積み上がってるだけじゃないんですか。あとは地方の役人どもがいい機会とばかり公的資金を不正流用して買っているとか。中国のガソリン消費量とか調査すれば、本当に車が売れているかどうかぐらいわかるでしょう。あそこは嘘うまいけど抜けてるとこあるから。だいたい輸出の大お得意先であるアメリカ様の消費が大幅に落ち込んでるのに、輸出立国の中国様の景気が回復するわけがない。
コレは世界的な傾向だと思うんですが、金融機関に貸し出された公的資金、経済縮小のため企業の設備投資等の運用先が無くて、株式やコモデティの市場に流れているほか、一部のサブプライムショックの被害が小さかったエマージング諸国に投入されているようです。世界的な貿易量減少の影響により、実際のところは多かれ少なかれどの国も経済が縮小停滞中で、投下された資本は結局のところ投機資金として使われてしまい、株価や商品価格を押上ます。それを持って市場の回復ととり経済が復調とみなされているようですが、市場の回復と工業生産や消費の回復には大きなタイムラグがあるわけで、しかも回復した市場で得た資金が、消費や設備投資にまわされることなく毀損した資本の回復や国債購入に使われると予測されるので、今回のミニバブルは遅かれ早かれ実体経済の回復の前にはじけることになるでしょう。
資本財の輸出命の日本ですから、世界の実体経済が回復するまでは、よほどうまい内需振興の手を打たない限り経済の低迷が続くでしょうね。
 
 
 

日本は欧米と違って借金少ないから株価が上がれば消費に廻るかも。