龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

うちの祖父さんの話

龍神沼の祖父さんは日露戦争のちょっと前に生まれているから、今生きていれば105歳ぐらい、まあ俺が大学一年のときに亡くなっているんだがね。で、その祖父さん再応召で日支事変に駆り出されたときは35歳、子供が6人もいた一家の家長にもかかわらず支那まで連れて行かれたということで*1、話に聞いたところでは日ごろの言動が警察とかそこら辺りに睨まれていたそうだ。祖父さんが所属していたのは18師団35旅団歩兵124連隊で、昭和12年11月杭州湾に上陸、南京攻略戦にも参加しているけど、祖父さんはなんか途中で痔疾で入院、戦地除隊というしまらないかたちで戦場を去ることになっている。昔でいうところの地主だったんで結構いい生活してて、戦地にカメラまで持ち込んで、戦場風景から現地の風俗までいろいろと撮りまくったアルバムが実家にあったりする。戦陣日記とかもずっと書いてて、もしかしたらあの件なんかにも触れてたりしてるかもしれないけど、達筆すぎて俺は読めなかった。例の事件について祖父さんはそんな話をすることはなかったが、南京追撃戦から攻囲戦ぐらいは参加しているだろうから、たぶん戦場で起こったいろいろなことについては見聞きしてるんだろうな。

*1:階級は上等兵