龍神沼の自由帳

気が向いたら更新しますわ

報道2001をみながら

 ちょっと前に書いたエントリーをもう一回読んでもらいたくて揚げてみる。

現代社会で給与所得者として生きていくとなると、自営業や地方公務員を別にすればたいていの人が就職した時点で家を離れてしまいます。またよほど地域限定の企業で無い限り転勤はつき物だしまた転職の機会も増えているということで、多くの人にとっては一箇所に定住すること自体がなかなか難しくなっています。そんな時代にマイホームの夢を見るというのは、実際問題としてかなりの高いリスクをともなうと思います。

ここまでは前振りで、次からが言いたいことです。

 

しかしもっと重要なことは、少子高齢化が言われる昨今人口減少及び大都市周辺に広がる一戸建て住宅やマンションが将来的に負の存在と化してしまうことが予想されるということです。大都市立地型の高層マンションの増加などによる人口の都市回帰等の要因により、大都市郊外に広がる住宅街における独居高齢者世帯や居住者不在の住宅の増加や空家の無断居住などの居住環境の劣化が近い将来進行し、マンションや一戸建てにかかわらず持ち家の資産価値が暴落することを否定する為の材料を、10年20年後の我が国に見出すことは難しいでしょう。それでなくとも建物自体の資産価値は30年余りで消滅してしまうのだから、対策を打てるだけの体力のある今のうちから住宅のスラム化を防ぐことを考えていく必要があります。

 一番必要なのは住宅の市場流動性を高めることでしょう。税制面からの優遇措置をとることや、住宅貸借関連の法的な整備を進めること、さらには公共機関による老朽住宅の強制買い上げ制度なども考えたほうがいいかもしれません。独居高齢者の増加による公的コストの増大を抑える為に、高齢者用の、高齢者ケアも視野に入れた集合住宅の整備についても考えるべきです。住宅が無価値になる前に低コストで流動性の高い住宅市場を形成していくことが、優先度の高い課題として存在していることを政府も国民も認識する必要があります。