龍神沼の自由帳

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アメリカがイラクから撤退すると

 今の状態のイラクからアメリカが撤退するということは、イラク国内にサウジアラビアが支援するスンニ派イスラム教徒とイランが支援するシーア派イスラム教徒、そしてクルド人の三つ巴の内戦が起こるということで、それにアルカイダなどイスラム原理主義武装集団が絡み、誰も抑えることのできない悲劇がイラク国民に降りかかってくるということになる。アメリカはいったん手をかけた以上最後まで責任をもってイラクの面倒を見る必要がある。そして日本も含めた関係各国は、軍事的な部分でも経済的な部分でもイラクの国内が安定するまでアメリカに協力していかなければならない。国連に面倒を押し付けたりすれば、結局ソマリアみたいに混乱状態が続くばかりである。そんな戦乱の中で生き残るのは、日本で言えば信長率いる織田軍団のような目的のためには手段を選ばない集団である。戦国時代ならいざ知らず、ロシア内戦に最終的に勝ち残り実権を握ったスターリン国共内戦に勝利した毛沢東、アフガン内戦を武力と宗教統治によっていったんは制しかけたタリバンなど、反対勢力を徹底的に弾圧することで支配地域を安定させるような集団がイラクを手に入れることは看過すべきではない。それは世界の主要な産油地帯で政治的宗教的に不安定な中東に、より大きな戦乱を呼び込むことになるからである。